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近赤外分光分析と細菌検査
著者: 松永貞一12
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属青戸病院小児科 2東京慈恵会医科大学附属青戸病院中央検査部
ページ範囲:P.834 - P.836
文献購入ページに移動1.はじめに
近赤外分光法とは,光のうち可視光領域と赤外領域の中間,すなわち700~2,500nmにその波長領域を持つ近赤外(NIR;near infrared)光の吸収現象に基づく分光法である.NIR域における吸収スペクトルの測定は,このスペクトルが複雑で解析が難しかったことや装置の完成度の低さなどから,物理学や化学の分野においてさえ特殊な扱いを受けていた.いわんや医学・生物学の分野では,近赤外光に対する生体物質の吸光係数が非常に小さく吸収されにくいため,計測手段としての利用はほとんど試みられていなかった1).
しかし近年,技術の進歩に伴い微弱光検出器,パーソナルコンピュータなどの性能が向上したため,これまで欠点として捉えられていた"吸収されにくい"という性質が逆に長所として利用できるようになってきた.すなわち,生体組織のような分厚い物質を侵襲も破壊もすることなく,そのままの状態で近赤外光を透過させることにより,実時間でいろいろな情報が得られる点である2~4).
近赤外分光法とは,光のうち可視光領域と赤外領域の中間,すなわち700~2,500nmにその波長領域を持つ近赤外(NIR;near infrared)光の吸収現象に基づく分光法である.NIR域における吸収スペクトルの測定は,このスペクトルが複雑で解析が難しかったことや装置の完成度の低さなどから,物理学や化学の分野においてさえ特殊な扱いを受けていた.いわんや医学・生物学の分野では,近赤外光に対する生体物質の吸光係数が非常に小さく吸収されにくいため,計測手段としての利用はほとんど試みられていなかった1).
しかし近年,技術の進歩に伴い微弱光検出器,パーソナルコンピュータなどの性能が向上したため,これまで欠点として捉えられていた"吸収されにくい"という性質が逆に長所として利用できるようになってきた.すなわち,生体組織のような分厚い物質を侵襲も破壊もすることなく,そのままの状態で近赤外光を透過させることにより,実時間でいろいろな情報が得られる点である2~4).
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