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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻7号

1995年07月発行

文献概要

研究

酵素法による生体試料中D体アミノ酸濃度の測定法

著者: 中恵一1 下條信雄1 巽典之1 田端省三2 大川二朗2 清水浩3 杉山正康3

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学 2兵庫県立成人病センター検査部 3小野薬品工業(株)試薬部試薬研究室

ページ範囲:P.841 - P.844

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 血中あるいは尿中のD-アミノ酸濃度を,汎用臨床化学検査自動分析装置で測定できる試薬の開発を行った.測定の原理は,D-アミノ酸オキシダーゼによってD-アミノ酸をケト酸に酸化する際生ずる過酸化水素を,ペルオキシダーゼにより利用しインダミン色素の生成を行うもので,吸光度測定によって濃度を求める方法である.本法の基礎的な信頼性検討の結果,自動分析装置を用いた測定で直線性,再現性にも優れていた.本法で得られた,血中D-アミノ酸濃度の健常値は,1.3~15.8μmol/lであった.腎機能に異常のみられた群では有意にD-アミノ酸濃度の上昇がみられたが,特に血中尿素窒素あるいは血中クレアチニンと高い相関はみられなかった.また,D-アミノ酸代謝に関係する腎D-アミノ酸酸化酵素の尿中逸脱量と,尿中D-アミノ酸濃度にも高い相関はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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