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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻9号

1995年09月発行

文献概要

トピックス

サイクリンとcdk

著者: 本倉徹1

所属機関: 1東京大学医学部第4内科

ページ範囲:P.1083 - P.1084

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 細胞周期は,DNA合成(S)期と細胞分裂(M)期とそのギャップを埋めるG1およびG2期によって構成される.細胞の増殖は,G1→S→G2→MそしてまたG1と順序正しく進行する細胞周期の繰り返しである.現在,細胞周期進行の分子機構は,サイクリン(cyclin)とサイクリン依存性蛋白リン酸化酵素(cyclin-dependent proteinkinase;cdk)を中心に急速に明らかにされつつある.サイクリンとcdkは1対1で結合し,サイクリンが調節サブユニットで,cdkがいわば酵素活性サブユニットである.サイクリンの結合およびリン酸化脱リン酸化の修飾で,cdkの酵素活性ひいては細胞周期進行が左右される1).また,一群のサイクリン―cdk抑制因子は,結合によりcdk活性を抑制し,細胞周期のブレーキ役を演じている2)
 サイクリンには,A型からH型までが,これまで報告されている(表1).その中で代表的なサイクリンBは,S後期に合成が始まると既存のcdc 2(cdk 1に相当する)と結合する.その後,サイクリンB-cdc 2複合体は,リン酸化や脱リン酸化を経てG2後期に爆発的に活性化され,核内へ移行する.cdc 2によるさまざまな核蛋白のリン酸化によって細胞分裂が開始する1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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