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文献詳細

雑誌文献

臨床検査4巻10号

1960年10月発行

文献概要

研究

カンジダ検出用培地としての水野・高田培地

著者: 山下憲治1 池間昌吉1 山崎万里子1 西村充1 西村和子1

所属機関: 1国立京都病院第一(真菌)研究室

ページ範囲:P.653 - P.656

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はしがき
 病巣や臨床材料よりカンジダを検出するために用いられる培地としては,サブロー(ブドウ糖)寒天がもつとも普及していると思われるが,サブロー寒天には細菌も割によく発育するので,この寒天を用いて培養する時カンジダの検出にいくらか困難を覚える場合がある。即ち,細菌は一般にカンジダより早く培地上に発育し,そのコロニーとカンジダのコロニーとの肉眼的鑑別は困難であり,時には細菌が培地全面に速やかに拡がつてしまつて,カンジダのコロニーの有無が不明となる事がある。だから,細菌の発育を抑圧してカンジダ等真菌のみが生育するよう培地に工夫を加える事が行われるようになつた。この目的のために,まずサブロー培地にペニシリンやストレプトマイシンを添加する方法が考案されたが,それでも尚時に細菌が発育して来るし,特に困るのは,抗生物質添加培地は添加後時日を経過するに従つて抗生物質の力価が低下するので,長期保存に堪えず,使用の都度調製しなければならないという不便がある事である。この不便を除く為に考案されたのが我が研究室の矢野培地1)であつて,之は略々満足すべき結果を得ている。他方細菌の発育を抑制する他に,カンジダのコロニーが特別の色を呈するようになし,カンジダの検出を更に容易ならしめようと云う工夫も行われるようになつて,NickersonのSulphite mediumや正古培地が現われて来た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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