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技術解説
電気血圧計の扱い方
著者: 細野清士1 中村芳郎1
所属機関: 1慶応大学内科
ページ範囲:P.279 - P.284
文献購入ページに移動はじめに
血圧の測定法は大別して,直接法と間接法とに分けられる。その種類は多いが,現在最も多く用いられているのは,水銀血圧計を用いた聴診法による非観血的間接法と,電気血圧計による観血的直接法である。
血圧の説明,考察は,簡単な配水管系統を用いて行なわれているが,これは便宜上の問題であり,決してこのようなことからは説明されない多くの問題がある。第一,血管壁は剛体ではなく,それ自体でも能動的な運動をなしうる。だから,管壁に孔をあけ,ここに垂直な管を立てて物理学的な静圧を測定しようとしても,血管壁に垂直な動きが血流に加わつているであろうから,この立てた管内の液柱の高さは,静圧でも動圧でもないある圧力を示すことになる。また,血管壁を破るために起る生体の反応を考えると,この部からとつた圧がいかなる状態のものであるかにも問題があるであろう。これらのことは,生体の内圧を測る以上避けられないことであり,機械的には解決されない。ただ,血管内圧を測定する際に,対象の生体に出来るだけ負荷を与えないように測定器を扱うことは大切である。
血圧の測定法は大別して,直接法と間接法とに分けられる。その種類は多いが,現在最も多く用いられているのは,水銀血圧計を用いた聴診法による非観血的間接法と,電気血圧計による観血的直接法である。
血圧の説明,考察は,簡単な配水管系統を用いて行なわれているが,これは便宜上の問題であり,決してこのようなことからは説明されない多くの問題がある。第一,血管壁は剛体ではなく,それ自体でも能動的な運動をなしうる。だから,管壁に孔をあけ,ここに垂直な管を立てて物理学的な静圧を測定しようとしても,血管壁に垂直な動きが血流に加わつているであろうから,この立てた管内の液柱の高さは,静圧でも動圧でもないある圧力を示すことになる。また,血管壁を破るために起る生体の反応を考えると,この部からとつた圧がいかなる状態のものであるかにも問題があるであろう。これらのことは,生体の内圧を測る以上避けられないことであり,機械的には解決されない。ただ,血管内圧を測定する際に,対象の生体に出来るだけ負荷を与えないように測定器を扱うことは大切である。
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