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座談会
糞便の検査法
著者: 石崎達12 浅見敬三3 松村義寛4 天木一太5 松橋直2 高橋昭三6 樫田良精2
所属機関: 1予防衛生研究所 2東京大学 3慶応大学 4東京女子医大 5日本大学 6東京大学細菌学教室
ページ範囲:P.362 - P.370
文献購入ページに移動樫田 "糞便"という言葉は字も難しいが,そうかといつて"大便"といつては検査室では名前が悪い。それで結局"糞便検査"といつてますネ。"尿"については前回に扱いましたが,この"糞便の検査"は化学的な検査と寄生虫学的な検査に大きく分けられます。細かい話に入る前にまず患者からとつた便そのものの状態,外観の話を1つ持出そうと思いますが,天木先生から口火を切つていただぎたいと思います。
天木 正常な便というのは適当な硬さと色調とを持つています。色は食餌によつてある時は非常に暗褐色をしていますしある時は黄色をしておりますけれども,大体ある範囲の中にあります。それが出血しますと非常に黒くなつてきてかなりの量の出血がありますとタール便とか,テール便とかいうようなまつ黒な色になります。また胆汁排出障害のときには脂肪が消化されないため灰白色調を示すようになります。胃腸のレントゲン検査のバリウムが大量に混じていても似た色になりますがよくみると区別ができます。
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