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病原性好塩細菌の分離培地の考案
著者: 善養寺浩1 辺野喜正夫1
所属機関: 1東京都立衛生研究所
ページ範囲:P.387 - P.388
文献購入ページに移動 魚介・海草類や塩漬食品などによつて起る食中毒のうち,病原性好塩細菌(Pseudomonas en-teritis)を原因とするものが近年数例報告されている。1-3)本菌の食中毒原性についてはすでに滝川ら4)により精細に検討されているが,その分離には適切な培地がないために,従来普通寒天に3〜5%に食塩を加えたものが常用されて来た。この培地では病原性好塩細菌は37℃18時間培養でよく発育し,一方大腸菌その他の細菌は食塩によりある程度発育を阻害されるために,一応本菌の分離が可能である。しかし実地に当り汚染食品やふん便などの場合はブドウ球菌のような食塩耐性の菌はもちろんのこと大腸菌その他の雑菌類もかなり発育してくるので,分離培地としてはやや不便である。
私共は病原性好塩細菌が乳糖非分解および好塩性である特性を利用し,BTB乳糖寒天(BTB培地)に4%に食塩を加えた培地を用いて菌の分離によい結果を得ているので,その要点を報告して参考に供したい。
私共は病原性好塩細菌が乳糖非分解および好塩性である特性を利用し,BTB乳糖寒天(BTB培地)に4%に食塩を加えた培地を用いて菌の分離によい結果を得ているので,その要点を報告して参考に供したい。
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