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文献詳細

雑誌文献

臨床検査4巻9号

1960年09月発行

文献概要

座談会「検査データーの"ばらつき"」を読んで—主として血液形態学的測定値を中心として

著者: 渡部五百友1

所属機関: 1日本鋼管病院川崎地区健康管理科

ページ範囲:P.568 - P.569

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 極めて有益な実験と貴重な意見を聞かせて頂いて,非常に興味深く思いました。このように,同一血液を様々の機関で測つて比較し合つてみるということが到る所で行われれば,測定された値というものの精度を一目で明らかにみることができ,甚だ有益であると思います。また,測定値は常に誤差をもつものであり,従つて誤差を0にしようというよりむしろ,目的にとつてどのくらいの誤差が許されるか,そしてこの測定値はどのくらいの誤差をもつものか,こういう構えが大切であろうと思つていますが,座談会の中で一貫してこの立場が貫かれているのを非常に頼もしく思いました。
 ところでこの共同実験によつて得られた測定値のバラツキに関する基本点については,座談会の中で,天木先生その他の先生が適切にふれておられるので,私は主として各測定値のもつ分布型をもとに,これら測定値のバラツキについて,気のついたことを述べたいと思います。おことわりしておきますが,私は血液形態学上の諸測定値についてのみふれ,他の生化学的な測定値については全く不得手ですので省きます。また,血液形態学的諸測定値のうちでも,血小板については,これも不得手ですので省きます。従つてここでは,Hb,Ht,R,CI,MCV,MCHC,W,ヘモグラム%についてのみに止めさせてもらいます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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