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今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ
皮膚カンジダ症―1.直接鏡検および分離・鑑別培養
著者: 山口英世1 内田勝久1 楠俊雄2
所属機関: 1帝京大学医学部医真菌研究センター 2くすのき皮膚科
ページ範囲:P. - P.
文献購入ページに移動深在性カンジダ症の診断,特に早期診断がしばしば困難をきわめることとは対照的に,表在性カンジダ症は比較的容易に診断することができる.その場合,臨床所見と合わせて,患部から採取した検体中にCandidaを証明することが不可欠となる.C.albicansなどはヒトの常在菌として健常人にも高率に存在するので,分離培養するだけでは不十分であり,必ず直接鏡検を行わなければならない.その結果,酵母形細胞に混って真性菌糸または仮性菌糸が観察されれば,本症の診断はほぼ確実となる(図1).共生菌として常在する場合には,ほとんど菌糸形をとらないからである.直接鏡検用の標本は,KOH法,パーカーインク・KOH法などによって作製する。
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