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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻10号

1996年10月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

リン病

著者: 松井隆1 荒川創一1 守殿貞夫1

所属機関: 1神戸大学泌尿器科

ページ範囲:P.1197 - P.1200

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はじめに
 リン病(淋菌感染症)は性病予防法に規定されている現在でも重要な性感染症の1つである.リン菌(Neis-seria Gonorrhoeae)の古典的な診断法には鏡検および分離培養がある.リン菌はグラム陰性双球菌で,分泌物や擦過検体塗抹のグラム染色や,レフレル染色による鏡検で診断可能であるが,ほかの細菌との区別が困難な場合も多い.分離培養にはチョコレート寒天培地やサイヤー・マーチン培地などが用いられてきた.しかし培養法はリン菌が宿主外で生存性が低いことから偽陰性の可能性がつきまとう.一方,より簡便で客観性に優れる非培養検出法に酵素抗体法(EIA)によるゴノザイム(Gonozyme:アボット社)がある.ゴノザイムの検出感度は2×102CFU/アッセイ程度と報告されている1).本キットはポリクローナル抗体を用いている点で特異性に若干の問題があり特に一般細菌が多く存在する咽頭や直腸からのリン菌検出には不適である.
 最近ではこれらの方法に加え,より特異性や感度に優れた遺伝子診新法が臨床に応用されている.リン菌検出における遺伝子診断には核酸ハイブリダイゼーションによるDNAプローブ法と,DNAを増幅して検出するPCR法およびLCR法が開発されており本章ではこれらについて解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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