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Mato細胞
著者: 間藤方雄1
所属機関: 1自治医科大学解剖学第二講座
ページ範囲:P.1203 - P.1204
文献購入ページに移動 Mato細胞は突起で互いに結び合って,脳の細動脈や細静脈の周りを取り囲む細胞群である.同細胞は蛍光顕微鏡下で黄色の自然蛍光を発する顆粒を多数含むことから,MatoのFGP細胞(fluorescent granular perithelium;蛍光性顆粒周囲細胞)と名付けられている.FGP細胞は細血管の基底膜と,その外側を囲む星状膠細胞の限界膜との間にある間隙(いわゆるVirchow-Robin腔)に位置している.この間隙は血液成分の脳への移行,あるいは脳内産物の血中への移行の通路に当たっている.細胞内の顆粒は酸性ホスファターゼ,エステラーゼ,リパーゼ,プロテアーゼなどの各種の酵素を含み,リソソームに属する.
生理的条件下に,若年動物の脳標本を作製し,FGP細胞を観察すると,弱酸性の原形質にPAS染色でよく染まる多数の顆粒を持っている.この顆粒が前述の蛍光性顆粒と一致する.電顕的には同顆粒は直径0.2~0.8μmの電子密度の高い顆粒である.同細胞は明るい胞体を持ち,ミトコンドリア,小胞体の数は一般に多くない.一般のマクロファージと異なる点は偽足は持たない反面,深い原形質膜の陥入(infolding)を多数有することで,これらは本細胞がいわゆる貪食能は欠くが,液性成分ないしごく小さな顆粒を選択的に取り込む性質に関連するものと想像している.
生理的条件下に,若年動物の脳標本を作製し,FGP細胞を観察すると,弱酸性の原形質にPAS染色でよく染まる多数の顆粒を持っている.この顆粒が前述の蛍光性顆粒と一致する.電顕的には同顆粒は直径0.2~0.8μmの電子密度の高い顆粒である.同細胞は明るい胞体を持ち,ミトコンドリア,小胞体の数は一般に多くない.一般のマクロファージと異なる点は偽足は持たない反面,深い原形質膜の陥入(infolding)を多数有することで,これらは本細胞がいわゆる貪食能は欠くが,液性成分ないしごく小さな顆粒を選択的に取り込む性質に関連するものと想像している.
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