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今月の主題 臨床化学とHPLC 総説
HPLCの診断への応用
著者: 野崎修1
所属機関: 1近畿大学医学部臨床病理学教室
ページ範囲:P.1247 - P.1251
文献購入ページに移動 HPLCの診断への応用の現状を調べるために,大規模受託検査センター(SRL,三菱化学ビーシーエル,住友金属バイオサイエンス)および病院内検査部(近畿大学病院,ペンシルバニア大学病院)のHPLC検査項目を調査した.その結果,HPLC検査項目は,大規模検査センターでは数は多い(79項目)が,病院検査部では少なかった(4項目).HPLC検査項目には,分子量約300~1,000の比較的低分子物質で,構造類似物質が混在する項目が選ばれていた.生化学自動測定装置および免疫化学自動測定装置と比較して,今日の医用HPLCは少数検査項目,不十分な検出感度,単項目測定,不完全自動化,unknown物質への不対応の問題を有することがわかった.医用HPLCが,さらに有力な臨床診断手段となるためには,HPLC-MSによるunknown物質への対応,コンピュータ支援多項目選択測定,affinity-HPLC&rapidHPLCによる高速測定,高感度検出器(microboreHPLC用UV/蛍光検出器,化学発光検出器,質量分析器)を装備した高感度検出が近い将来可能となることが期待される.〔臨床検査40:1247-1251,1996〕
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