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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻12号

1996年11月発行

文献概要

今月の主題 臨床化学とHPLC 話題

HPLC法によるHDL-Cの測定

著者: 岡崎三代1 柳澤勉2

所属機関: 1東京医科歯科大学教養部 2青梅市立総合病院臨床検査科

ページ範囲:P.1309 - P.1313

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1.はじめに
 末梢組織からコレステロールを肝臓へ運ぶ機能を持つとされている高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の測定は臨床検査の項目として欠かせないものである.またHDL-Cは動脈硬化の指標[(TC-HDL-C)/HDL-C]や,悪玉コレステロールとされている低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の簡便な算出法としてFried-ewaldの計算式(LDL-C=TC-HDL-C―TG÷5)に用いられる.この計算式は,トリグリセリド(TG)が400mg/dl以上の検体やⅢ型高脂血症などでは,適用できないことが知られているが,それ以外にHDL-Cが高値の検体ではどの程度まで適用できるのかが懸念されている.
 HDL-Cの測定法には,超遠心法,電気泳動法,HPLC法1),沈澱法などがあり,方法によってその測定値に違いがみられる.例えば,市販の分画剤を用いた沈澱法によるHDL-CはHPLC法より有意に低値であり,その傾向はHDL-Cが高値である場合に顕著である2,3).また最近沈澱法に代わって使われている直接測定法で測定されるHDL-Cは測定原理の違いによるキット間差が問題となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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