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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻2号

1996年02月発行

文献概要

今月の主題 活性酸素とSOD 巻頭言

活性酸素とSOD

著者: 片山善章1

所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.123 - P.124

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 1964年ごろからFridrichらは,生体酵素系でスーパーオキシド(O2またはO2が発生し,それを消去する酵素を発見した.O2が発見された当初は化学者の興味を引いたが,O2が白血球を刺激することによって生じ,しかも殺菌に関与していることが明らかにされてから臨床医学の領域で脚光を浴びるようになった.1969年にはMcCordがO2を特異的に消去する酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を同定した.その後,O2から生成するヒドロキシラジカル・OHや一重鎖項酵素1O2が生体の組織傷害の因子になっていることが注目されるようになった.また,近年,O2を代表とする活性酸素の臨床医学への応用に関する論文,成書が多くある.しかし,臨床検査領域においてはSOD活性測定については取り上げられてはいるが,"活性酸素とSOD"を主題とした特集はなかったように思う.
 酸素O2の一電子還元によって生じるO2,一電子還元とプロトン付加により産生される過酸化水素H2O2, H2O2の一電子還元によって生じる・OH, O2の励起状態である1O2の4種類の酸素代謝物を狭義に活性酸素という.これらの活性酸素は異物の融解作用や細胞外の組織に傷害を与える.その反応の強さは1O2≒・OH>H2O2>O2であると言われており,多くの場合O2から他の活性酸素が発生し,・OHは最も反応性は高く,細胞膜を攻撃する主因となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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