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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻2号

1996年02月発行

文献概要

今月の主題 活性酸素とSOD 活性酸素と病態

糖尿病―フリーラジカルと抗酸化機構の変動

著者: 朝山光太郎1

所属機関: 1山梨医科大学小児科

ページ範囲:P.176 - P.180

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 糖尿病では高血糖のために蛋白糖化が亢進するが,この反応には活性酸素が関与しており,生じた糖化蛋白からも活性酸素が産生され,脂質過酸化が促進される.血清の抗酸化物質は予防的抗酸化物質とラジカル消去剤に大別されるが,糖尿病ではこのいずれの防御機構にも機能低下が認められる.細胞内の抗酸化酵素も変動をきたしており,細胞内NADPHやグルタチオンの生成障害もあるために,酸化的ストレスが増加している.糖尿病においては,プロスタノイドの代謝にも変動が起こり,活性酸素の産生の亢進とともに,血管内皮細胞の傷害の原因となっている.体内における遷移金属や抗酸ビタミンCの代謝の変動,蛋白代謝の変動も,糖尿病における酸化的ストレスと関連した異常である.糖尿病では多種類の代謝系の変動によって,種々の部位で酸化・抗酸化のアンバランスが生じ,活性酸素が関与して細小血管障害と動脈硬化の両方の成因になり得ると考えられる.〔臨床検査40:176-180,1996〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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