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血清アミロイドA4(SAA 4)
著者: 山田俊幸1
所属機関: 1自治医科大学臨床病理学
ページ範囲:P.220 - P.221
文献購入ページに移動 血清アミロイドA (serum amyloid A: SAA)は,炎症時にその濃度が著増する急性相反応物質(APR)の1つであり,その名のとおりAA (2次性)アミロイドーシスでの沈着線維の前駆体として知られている.SAAには遺伝子多型が存在し,これまでいくつかの亜型の追加がなされてきたが,最近新しいアイソタイプのcDNAと対応する蛋白の同定がなされ,APRとしての性質を示さないことから構造SAAと命名された1).現在では,この新タイプはSAA 4と呼ぶほうが一般的である.ここでヒトSAAファミリーをまとめると,APRとしての性質を有し,アミロイド前駆体となりうるのがSAA 1, SAA 2であり,遺伝子SAA 3は非発現,それにSAA 4とおおまかに分類される.参考までに現在商品化されている測定試薬はAPRとしてのSAA 1, SAA 2を定量するものである.
SAA 4とSAA 1の一次構造相同性は50%,前者にはその中程に8個のペプチドが挿入されている(図1).そのため糖鎖結合部位が生じ,血清中では糖鎖結合型(分子量約16,000),非結合型(13,000)がほぼ同量存在している(図2).生理的状態ではSAA 4血中濃度は50~100μg/mlで(APR-SAA基礎レベルの約10倍),炎症時にはむしろ低下する傾向にある2).
SAA 4とSAA 1の一次構造相同性は50%,前者にはその中程に8個のペプチドが挿入されている(図1).そのため糖鎖結合部位が生じ,血清中では糖鎖結合型(分子量約16,000),非結合型(13,000)がほぼ同量存在している(図2).生理的状態ではSAA 4血中濃度は50~100μg/mlで(APR-SAA基礎レベルの約10倍),炎症時にはむしろ低下する傾向にある2).
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