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今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ
癜風その他の皮膚マラセチア症
著者: 山口英世1 内田勝久1 楠俊雄2
所属機関: 1帝京大学医学部医真菌研究センター 2くすのき皮膚科
ページ範囲:P.250 - P.251
文献購入ページに移動癜風の診断には直接鏡検が不可欠である.病巣をメスの刃でこすって採取した鱗屑またはダブルスティックテープで患部角層を剥離したものを検体とする.これをスライドグラスに載せ,苛性カリ法または染色を兼ねたパーカーインク・苛性カリ法による処理を行って観察する.図1に示すように,M. furfurは病巣内で二形性を呈し,菌糸形と酵母形とが混在する.菌糸はCandidaや白癬菌のそれよりも太く(幅2.5~4μm),長さは比較的短い(10~40μm).一方,酵母細胞は直径3~8μmの球形を呈し,桑実状に集簇している.このような本菌の病巣内形態はきわめて特徴的であり,この直接鏡検所見が癜風特有の臨床症状を伴う患者で得られれば,ほぼ診断は下せる.しかし診断を確実にするためには,以下に述べる培養検査が必要となる.
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