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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻3号

1996年03月発行

文献概要

今月の主題 悪性リンパ腫 カラーグラフ

悪性リンパ腫における末梢血液像と骨髄像

著者: 塚崎邦弘1 朝長万左男1

所属機関: 1長崎大学医学部付属原爆後障害医療研究施設内科

ページ範囲:P.257 - P.261

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はじめに
 悪性リンパ腫は,リンパ節およびリンパ組織の存在しうる全身臓器に病変を形成する.リンパ節外臓器の中では脾臓と並んで,末梢血および骨髄は悪性リンパ腫の浸潤が好発する.悪性リンパ腫が疑われる症例で,末梢血と骨髄の形態学的検査を実施することは2つの理由から重要である.1つは,主病変が深部のリンパ節または節外病変(脳,肺,肝,脾,小腸など)のため精査が困難なときに,末梢血または骨髄に異常リンパ球が確認されれば診断が可能である.もう1つは,リンパ節などの主病変で悪性リンパ腫と診断されていても病期決定に必要である.末梢血または骨髄に異常リンパ球があればstage IVであり,一般に放射線治療ではなく化学療法が選択される.
 悪性リンパ腫の中でも病型により末梢血・骨髄へ浸潤する頻度は異なる.ホジキン病では約3%で骨髄浸潤が認められるが,末梢血病変はさらにまれである.バーキットリンパ腫およびリンパ芽球性リンパ腫の多くは骨髄に浸潤し,これらがさらに白血化した場合には,急性リンパ性白血病(L3および,L1またはL2)と診断される.smalllymphocytic lymphoma (SLL)とB-chroniclymphocytic leukemia (CLL)の関係も同様である.adult T-cell leukemia/lymphoma (ATL)は日本に好発し,リンパ腫型を除く急性型,慢性型,くすぶり型は白血化している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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