文献詳細
文献概要
今月の主題 悪性リンパ腫 話題
罹患率の民族差
著者: 田島和雄1
所属機関: 1愛知県がんセンター研究所疫学部
ページ範囲:P.319 - P.321
文献購入ページに移動1.はじめに
悪性リンパ腫の罹患率の民族差について言及する場合にいくつかの障壁を免れ得ない.疾病登録の精度は国によって異なり,診断技術の進展に伴う病型分類の経年変動においても国間で大きな偏差が存在する.このような人為的要因が罹患率の変動に大きな影響を与える.しかしながら,悪性リンパ腫の中でも非ホジキン・リンパ腫とホジキン病では病態がまったく異なり,前者においてはT細胞性リンパ腫とB細胞性リンパ腫の間で発病要因が異なり,さらに民族によって罹患率も大きく異なる.また,世界の地域,民族で特異的に好発している特殊な悪性リンパ腫の場合には十分に比較可能である.ここでは,そのような観点から,世界のがん登録情報に基づいて悪性リンパ腫の罹患率の民族差について言及してみたい.
悪性リンパ腫の罹患率の民族差について言及する場合にいくつかの障壁を免れ得ない.疾病登録の精度は国によって異なり,診断技術の進展に伴う病型分類の経年変動においても国間で大きな偏差が存在する.このような人為的要因が罹患率の変動に大きな影響を与える.しかしながら,悪性リンパ腫の中でも非ホジキン・リンパ腫とホジキン病では病態がまったく異なり,前者においてはT細胞性リンパ腫とB細胞性リンパ腫の間で発病要因が異なり,さらに民族によって罹患率も大きく異なる.また,世界の地域,民族で特異的に好発している特殊な悪性リンパ腫の場合には十分に比較可能である.ここでは,そのような観点から,世界のがん登録情報に基づいて悪性リンパ腫の罹患率の民族差について言及してみたい.
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