icon fsr

雑誌詳細

文献概要

研究

SPM法による年代別脳電位図法の検討

著者: 田村東子1 川名ふさ江1 石山陽事1

所属機関: 1虎の門病院臨床生理検査部

ページ範囲:P.353 - P.358

 客観的な視覚情報として脳波を評価するために,sig-nificance probability mapping (以下SPM)法による,年代別正常者の標準脳電位図を10歳ごとに作成し,疾患群への応用と,その有用性について検討した.その結果,加齢により40歳を境に10~11Hzであった後頭部の優勢α波周波数は,9Hzへ徐波化することが確認された.さらに正常例と疾患例について,単純脳電位図と比較すると,対応年代ごとの標準脳電位図をsubtractionするZマップでは,特に疾患例についてより客観的データを提供することができた.しかし対応年代が異なると過大評価する結果となった.さらに詳細な年代別の標準脳電位図を作成することで,SPM法は脳波の異常所見をより客観的に表現するうえで有効であり,幅広い応用が期待できる.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?