客観的な視覚情報として脳波を評価するために,sig-nificance probability mapping (以下SPM)法による,年代別正常者の標準脳電位図を10歳ごとに作成し,疾患群への応用と,その有用性について検討した.その結果,加齢により40歳を境に10~11Hzであった後頭部の優勢α波周波数は,9Hzへ徐波化することが確認された.さらに正常例と疾患例について,単純脳電位図と比較すると,対応年代ごとの標準脳電位図をsubtractionするZマップでは,特に疾患例についてより客観的データを提供することができた.しかし対応年代が異なると過大評価する結果となった.さらに詳細な年代別の標準脳電位図を作成することで,SPM法は脳波の異常所見をより客観的に表現するうえで有効であり,幅広い応用が期待できる.