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今月の主題 注目のグラム陽性菌 ブドウ球菌
MRSAの耐性獲得の遺伝学
著者: 村上博子1 平松啓一1
所属機関: 1順天堂大学医学部細菌学教室
ページ範囲:P.381 - P.386
文献購入ページに移動 MRSAは1961年に英国で最初に分離され,その後35年を経た現在では,全世界から分離されるようになっている.過去30年の間に,多種多様な抗生物質が開発,実用化され,細菌は自分自身の遺伝子を変化させたり,外来の遺伝子を獲得したりして,これらの薬剤に対抗すべく進化を続けてきた.MRSAが,これらの多くの薬剤に多剤耐性,高度耐性化するためには,いくつかの進化の段階を経る必要があったことは容易に想像できる.本稿では,MRSAのβ-ラクタム系薬に対する高度耐性化の,各段階に対応した遺伝的変化について解説する.〔臨床検査40:381-386,1996〕
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