icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻4号

1996年04月発行

文献概要

今月の主題 注目のグラム陽性菌 レンサ球菌

劇症型A群レンサ球菌感染症

著者: 五十嵐英夫1 柏木義勝1 遠藤美代子1 奥野ルミ1 榎田隆一1

所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部細菌第二研究科

ページ範囲:P.392 - P.398

文献購入ページに移動
 近年,わが国でもA群レンサ球菌を起因菌とするショック,多臓器障害,軟部組織の壊死など,重篤な病態の進行が非常に速く,死亡率の高い劇症型A群レンサ球菌感染症が散見される.当初,病原性の強い新たなA群レンサ球菌の出現ではないかと騒がれたが,そのような証拠はこれまで明らかでない.本症患者由来A群レンサ球菌の疫学的調査によると,ある限られた血清型だけに収斂することもみられていない.発病機序については発熱性毒素がスーパー抗原の1つであることからいろいろ検討されているが,本症の激烈な病態をすべて説明できるような機序は不明である.本症の特徴は患者の血液や組織などからA群レンサ球菌が検出される敗血症であり,分離株はペニシリン感受性である.〔臨床検査40:392-398,1996〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?