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今月の主題 心筋梗塞の生化学的マーカー 心筋(細胞)逸脱酵素の臨床検査〔各論〕
ホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)
著者: 林泰三1
所属機関: 1大阪医科大学中央検査部
ページ範囲:P.545 - P.549
文献購入ページに移動 ホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)は各種疾患患者210例において,全体としてはAST,LDと有意の相関関係を示した.心疾患においては,CK,AST, LDと,肝疾患においてはASTと,悪性腫瘍においてはLDと,有意の相関が著明であった.救命センターへ緊急入院した,心筋梗塞と脳卒中の急性経過において,PGAMは心筋梗塞の発作後2時間以内には,CK, AST, LDとともに上昇はみられなかった.6~12時間後には,一転して著明なピークをとり,以後低下した.B/Tは著明に低下した.脳卒中においては,PGAMは発作後2時間以内に上昇し,高値に達し,以後低下傾向をとるが,B/Tは正常範囲にあった.〔臨床検査 40:545-549,1996〕
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