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今月の主題 心筋梗塞の生化学的マーカー 心筋構造蛋白の臨床検査〔各論〕
ミオシン
著者: 永井良三1
所属機関: 1群馬大学医学部第二内科
ページ範囲:P.555 - P.558
文献購入ページに移動 心筋ミオシンは構造蛋白の1種で,虚血時の筋原線維の崩壊に伴って血中に放出される.古くから用いられている逸脱酵素と異なり,急性心筋梗塞に伴う心筋壊死を反映する指標である.流出過程は発作後早期より血中で上昇し,広範な梗塞では2週間程度高値を持続する.したがって発作の数日後に入院した症例でも診断が可能である.さらに高値上昇例では心室瘤やdyskinesisの発生がみられ,予後や合併症の予測にも有用である.〔臨床検査 40:555-558,1996〕
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