文献詳細
文献概要
今月の主題 心筋梗塞の生化学的マーカー 話題
トロポニンI
著者: 高木康1
所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理
ページ範囲:P.581 - P.583
文献購入ページに移動1.トロポニンIとは
トロポニンは3つのサブユニット,すなわちトロポニンC (TnC),トロポニンI (TnI),およびトロポニンT (TnT)からなり,トロポミオシンとともに筋肉収縮を調節している蛋白である.
筋肉は太いフィラメント(ミオシン)と細いフィラメント(アクチン)が互いに滑り込むことにより収縮する.静止筋ではTnIがアクチンと結合してミオシン頭部がアクチンと接触するのを阻害している.これが筋肉が収縮するときには,まず活動電位によって放出されたCa2+がTnCに結合し,これによりアクチンとTnIとの結合が弱まり,トロポミオシンが側方に動くことが可能となる.トロポミオシンが側方に動くとアクチンのミオシン頭部に対する結合部位のおおいが取り去られ,アクチン線維とミオシン頭部との相互作用が可能となり,収縮が起こる.TnIはアクトミオシンのATPase活性を阻害することで,TnCとカルシウムの結合を阻害しているのである.
トロポニンは3つのサブユニット,すなわちトロポニンC (TnC),トロポニンI (TnI),およびトロポニンT (TnT)からなり,トロポミオシンとともに筋肉収縮を調節している蛋白である.
筋肉は太いフィラメント(ミオシン)と細いフィラメント(アクチン)が互いに滑り込むことにより収縮する.静止筋ではTnIがアクチンと結合してミオシン頭部がアクチンと接触するのを阻害している.これが筋肉が収縮するときには,まず活動電位によって放出されたCa2+がTnCに結合し,これによりアクチンとTnIとの結合が弱まり,トロポミオシンが側方に動くことが可能となる.トロポミオシンが側方に動くとアクチンのミオシン頭部に対する結合部位のおおいが取り去られ,アクチン線維とミオシン頭部との相互作用が可能となり,収縮が起こる.TnIはアクトミオシンのATPase活性を阻害することで,TnCとカルシウムの結合を阻害しているのである.
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