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ウイルス感染病態におけるNOの意義
著者: 赤池孝章1
所属機関: 1熊本大学医学部微生物学教室
ページ範囲:P.598 - P.599
文献購入ページに移動 近年,ヘルペスウイルスをはじめとする各種脳炎ウイルスの生体内増殖において,NO合成の亢進が明らかにされており1~3),この様はウイルス感染症における誘導型NO合成酵素(inducible isoform of NOS:iNOS)の誘導は,主にinter-leukin1β(IL-1β),tumor necrosis factorα(TNF-α),interferonγ(IFN-γ)などの炎症性サイトカインの産生を介していることがわかっている.一方,われわれは,マウスのインフルエンザウイルス肺炎モデルにおいて,ウイルスの肺組織内での増殖に対する生体反応の1つとして,ウイルスの感染局所にiNOSが誘導され,過剰なNOの生成が誘導されることを見いだした4).
これに加え,われわれは,マウスインフルエンザウイルス肺炎モデルの感染局所において,スーパーオキサイド(O2-)の産生系の1つであるキサンチンオキシダーゼ(XO)が過剰に誘導され,このO2-の生成をスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)やXOの阻害剤により抑制することにより,ウイルス肺炎病態が改善することを報告している5).
これに加え,われわれは,マウスインフルエンザウイルス肺炎モデルの感染局所において,スーパーオキサイド(O2-)の産生系の1つであるキサンチンオキシダーゼ(XO)が過剰に誘導され,このO2-の生成をスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)やXOの阻害剤により抑制することにより,ウイルス肺炎病態が改善することを報告している5).
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