文献詳細
文献概要
研究
好酸球性胸水の臨床病理学的検討
著者: 畠榮1 横山奈穂子2 大倉貢3 広川満良4
所属機関: 1川崎医科大学附属病院病院病理部 2せのお循環器科心臓血管外科 3川崎医科大学附属病院中央検査部 4川崎医科大学病理学教室
ページ範囲:P.603 - P.606
文献購入ページに移動胸水と末梢血の好酸球数の割合の関係は,Pearsonの相関関数でt=3.072(df=103),p=0.0027という相関を示し,悪性腫瘍51例中の7例(13.7%)に末梢血の好酸球増多を認めた.好酸球性胸水中の白血球分類について,リンパ球優位型は42例(38.2%),好酸球優位型は36例(32.7%)で,悪性腫瘍がともに首位を占めていた.
今回の検討で,好酸球性胸水の原因疾患でもっとも高頻度に認められたものは悪性腫瘍であった.リンパ球優位型の好酸球性胸水では悪性腫瘍を念頭におき検索する必要があると考えられた.しかし,好酸球数で好酸球性胸水を引き起こす疾患を断定することは困難であった.
掲載誌情報