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multilobated B細胞リンパ腫
著者: 畠榮1 広川満良1
所属機関: 1川崎医科大学附属病院病院病理部
ページ範囲:P.734 - P.735
文献購入ページに移動 1979年にPinkusら1)はびまん性大細胞性リンパ腫の中に腫瘍細胞の核が多分葉で核異型を伴う症例をmultilobatedリンパ腫として4例報告し,これらの大型の腫瘍細胞はヒツジ赤血球でロゼット形成を呈することからT細胞由来と考えた.当時は核の分葉を示すものとしてSézary症候群や,成人T細胞性白血球が知られているのみで,末梢性T細胞リンパ腫の1つの特徴として認識されていた.その後1982年から85年にかけてB細胞由来のmultilobatedリンパ腫が相次いで報告され,multilobatedリンパ腫の所見を呈するものは米国ではむしろB細胞性のものが多く,しばしば濾胞性リンパ腫の部分像を伴い,largecleaved cellのvariantであると考えられた.したがって,現在multilobatedリンパ腫にはT細胞性とB細胞性の両方があり,どちらかといえばB細胞性のほうが多いとされている2~5).
わが国では難波ら5)により14例のmultilobatedリンパ腫が報告され,9例がB細胞性,5例がT細胞性で,年齢的には50歳以上の高齢者にみられた.興味深い点はリンパ節原発のものは1例のみで,他は唾液腺,咽頭,骨髄,皮膚などの節外性の症例が圧倒的に多い点であった.
わが国では難波ら5)により14例のmultilobatedリンパ腫が報告され,9例がB細胞性,5例がT細胞性で,年齢的には50歳以上の高齢者にみられた.興味深い点はリンパ節原発のものは1例のみで,他は唾液腺,咽頭,骨髄,皮膚などの節外性の症例が圧倒的に多い点であった.
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