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今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ
皮膚糸状菌症 6.生理学的/分子生物学的特徴に基づく検出・同定法
著者: 山口英世1 内田勝久1 槙村浩一1
所属機関: 1帝京大学医真菌研究センター
ページ範囲:P.990 - P.991
文献購入ページに移動ウレアーゼテストは,ウレアーゼ活性すなわち尿素を分解してアンモニアなどのアルカリ性代謝物を産生する活性の有無を調べるテストである.Trichophyton rubrum菌株はほとんど例外なくウレアーゼ活性を欠く(陰性).一方,T.menta-grophytes菌株の大多数は強い活性を示す(陽性).したがって,ウレアーゼ活性の有無によって両菌種の鑑別がある程度可能となるが,T.mentagro-phytesでもこの活性を持たない(陰性)菌株が10%ほどある点に留意しなければならない.図1にその実施例を示す.市販のクリステンゼン尿素培地上で2~3週間培養すると,陽性菌の場合には培地がアルカリ性となるために黄色から紅色へと変化する.
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