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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻9号

1996年09月発行

文献概要

今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白 TG-richリポ蛋白

リポ蛋白リパーゼと肝性トリグリセリドリパーゼ

著者: 池田康行1 高木敦子1

所属機関: 1国立循環器病センター研究所病因部

ページ範囲:P.1013 - P.1021

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 リポ蛋白リパーゼ(LPL)は脂肪組織で合成される分子量61kDaの糖蛋白で,カイロミクロンや超低比重リポ蛋白(VLDL)のトリグリセリド(TG)を脂肪酸とモノグリセリドに水解する酵素である.LPL遺伝子異常ホモ接合体によるLPL酵素異常ではⅠ型高脂血症(高カイロミクロン血症)となり,LPL遺伝子異常ヘテロ接合体の遺伝素因にアルコール多飲などのTG合成亢進因子が合併した場合はIV型やV型高脂血症(高TG血症)となる.肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)酵素は肝臓で合成される65 kDaの糖蛋白である.その生理的役割はLPLほど明確ではないが,HTGL欠損症の場合,高TG血症を示すが,VLDLなどの大型粒子の蓄積はなくLDLやHDL粒子のTGが増加することから,これらリポ蛋白代謝に関与していると推定されている.両酵素の定量は,高TG血症の成因を解明するうえで臨床的に重要である.〔臨床検査 40:1013-1021,1996〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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