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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻9号

1996年09月発行

文献概要

今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白 低比重リポ蛋白

small,dense LDL

著者: 芳野原1 平野勉2 鹿住敏3

所属機関: 1東邦大学医学部臨床検査医学 2昭和大学医学部第一内科 3兵庫県立リハビリテーションセンター中央病院内科

ページ範囲:P.1031 - P.1036

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 低比重リポ蛋白(LDL)は主としてコレステロールエステルとアポ蛋白Bからなるリポ蛋白粒子で生体内でのコレステロールの運搬を担っている.このLDL分画はその粒子のサイズ,比重,組成の異なる粒子集団から成り立っており,今まで種々の方法でいくつかの異なる粒子サイズのグループが存在することが報告されている.また,このLDLサイズは血中トリグリセリドレベルと負の相関がみられている.注目すべきことはこの小粒子径LDL (small,dense LDL)を持つ症例("パターンB"と呼ばれている)は通常のサイズのLDLを持つ場合に比べて冠動脈疾患発症の危険度が3倍に達することである.このsmall,dense LDLがなぜ動脈硬化惹起性を持つかについては,本粒子がin vitroで通常のサイズのLDLに比べて酸化を受けやすいことが指摘されており,この易被酸化性が本粒子の催動脈硬化性の基本的な原因の1つと考えられる.このsmall, dense LDLは種々の薬物療法に反応し,多くの場合,血中トリグリセリド(TG)の低下とともに,正常のサイズに変化する.〔臨床検査 40:1031-1036,1996〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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