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今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白 コレステロールエステル転送蛋白
コレステロールエステル転送蛋白
著者: 山下静也1 松澤佑次1
所属機関: 1大阪大学医学部第二内科
ページ範囲:P.1043 - P.1049
文献購入ページに移動 動脈硬化性疾患の患者では高比重リポ蛋白(HDL)分画のコレステロール値が低下し,遺伝性の低HDL血症症例において著明な動脈硬化が観察されることから,HDLは抗動脈硬化作用を有するリポ蛋白と考えられている.コレステロールエステル転送蛋白(CETP)はHDLの中に含まれるコレステロールエステルを超低比重リポ蛋白(VLDL)や低比重リポ蛋白(LDL)などのアポB含有リポ蛋白へと転送する蛋白であり,その遺伝的な欠損により著しい高HDL―コレステロール血症を生じる.本稿ではCETPに関する最近の知見について述べ,筆者らが明らかにしたCETP欠損症におけるリポ蛋白代謝異常や遺伝子異常,動脈硬化との関連についても紹介する.また,CETP活性は種々の病態で変動するがその変動因子についても言及した.〔臨床検査40:1043-1049,1996〕
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