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文献概要
今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白 話題
新しい酸化低比重リポ蛋白レセプター―CD36
著者: 野﨑秀一1 松澤佑次1
所属機関: 1大阪大学医学部第二内科
ページ範囲:P.1072 - P.1074
文献購入ページに移動1.はじめに
動脈硬化の初期病変においては,酸化低比重リポ蛋白(LDL)などの変性LDLがマクロファージに取り込まれ,泡沫細胞が形成されると考えられている.その取り込みにおいては,Goldsteinら1)が指摘したスカベンジャーレセプターが関与していると考えられていたが,その本態は不明であった.1988年,Kodamaら2)はアセチルLDLをリガンドとしてスカベンジャーレセプタータイプI,タイプIIを見いだした.しかし,その後,児玉らのレセプター以外のスカベンジャーレセプターの存在も示唆されるようになった.最近,CD 36が,酸化LDLを結合するデータが報告され3),また,当研究室でのCD 36欠損マクロファージを用いた研究により4)CD 36の動脈硬化における生理的意義が次第に明らかになってきた.本総説ではこの2つのスカベンジャーレセプターのうち,CD 36を中心に解説する.
動脈硬化の初期病変においては,酸化低比重リポ蛋白(LDL)などの変性LDLがマクロファージに取り込まれ,泡沫細胞が形成されると考えられている.その取り込みにおいては,Goldsteinら1)が指摘したスカベンジャーレセプターが関与していると考えられていたが,その本態は不明であった.1988年,Kodamaら2)はアセチルLDLをリガンドとしてスカベンジャーレセプタータイプI,タイプIIを見いだした.しかし,その後,児玉らのレセプター以外のスカベンジャーレセプターの存在も示唆されるようになった.最近,CD 36が,酸化LDLを結合するデータが報告され3),また,当研究室でのCD 36欠損マクロファージを用いた研究により4)CD 36の動脈硬化における生理的意義が次第に明らかになってきた.本総説ではこの2つのスカベンジャーレセプターのうち,CD 36を中心に解説する.
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