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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻9号

1996年09月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

アガロースゲル電気泳動の実際

著者: 須藤加代子1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院臨床検査医学

ページ範囲:P.1075 - P.1078

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はじめに
 アガロースはD-ガラクトースと3,6-アンヒドロ-L-ガラクトースの鎖状結合による直鎖状分子がゲルを形成し分子篩効果を生じるため,核酸電気泳動の支持体として用いられている.ヌクレオチド鎖の分画効果は網目構造の大きさ,すなわちアガロース濃度により調節されている(表1).前述(先月号)したPAGと異なり架橋構造は存在しないため,巨大な核酸分子さえも泳動分画可能である.PAGに比較し,ゲルの調整が簡便,無毒,泳動後の抽出操作が容易であるので,抽出高分子DNA,サザンプロット,ノーザンプロットなど比較的高分子(100bp以上)の核酸の泳動に広く用いられてきた.近年低フラグメント用低融点アガロースが開発され(表2),PAGに近い低分子(8 bpまで)も分画可能となってきたため,ますます使用範囲が広がってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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