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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻9号

1996年09月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

HTLV-Ⅰ

著者: 田口博國1 三好勇夫1

所属機関: 1高知医科大学第三内科

ページ範囲:P.1079 - P.1083

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HTLV-Ⅰの構造
 成人T細胞性白血病(adult T-cell leukemia;ATL)の原因ウイルスhuman T-lymphotropic virustype Ⅰ;HTLV-Ⅰはレトロウイルスに属し,ウイルス粒子は平均直径100nmの球状で,外側のエンベロープと中心部のコアからなり,コアの内部に一本鎖RNAが2本入っている(図1).HTLV-Ⅰは細胞膜から出芽の形で細胞外に放出され,主としてCD 4陽性のヘルパーT細胞に感染する.感染後ウイルス自身の逆転写酵素によりウイルスRNAは相補的DNA(プロウイルスDNA)となり,宿主細胞の染色体に組み込まれる.プロウイルスDNAは9,032塩基対からなり,図1に示すようにLTR-gag-pol-env-pX-LTRの構造を持つ.gag遺伝子はウイルスのコア蛋白質p19,p24,p15を,pol遺伝子は逆転写酵素を,env遺伝子はエンベロープ蛋白質gp 46,p20Eをコードする.pX領域にはtax,rexの遺伝子があり,ウイルスの増殖を自己制御するとともにATLの発症に重要な役割を果たしていると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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