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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻9号

1996年09月発行

文献概要

トピックス

子宮内膜異型増殖症

著者: 中島伸夫1

所属機関: 1名古屋大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.1085 - P.1085

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 新WHO1)と新子宮体癌取扱い規約2)では,増殖性の子宮内膜病変を細胞異型の有無によって増殖症,異型増殖症の2つに分け,さらに各々を腺構造の異常(構造異型)の有無により単純型と複雑型に分けることはすでに述べている3).細胞異型と構造異型の程度は通常は並行することが多く(単純型増殖症,複雑型異型増殖症),細胞異型はないが構造異型があること(複雑型増殖症),また細胞異型があって構造異型がない(単純異型増殖症)例は少ない.単純型増殖症が旧版4)の嚢胞性腺増殖症(cystic hyperplasia)に,複雑型増殖症が異型増殖症(atypical hyperplasia)に相当する.
 増殖症,異型増殖症,高分化類内膜腺癌は形態的にはほとんど連続の変化に見える.ここで腺癌は浸潤像を認めるものを言うので,異型増殖症には粘膜内腺癌(adenocarcinoma in situ)が含まれることになる.したがって異型増殖症は一方では増殖症と他方では浸潤腺癌との鑑別を要する.高齢者の異型増殖症は子宮の摘除が適応とされているが,妊孕性の温存を希望する若年者の場合は治療を加えつつ経過を見るのであるが,経験上,いったん異型増殖症とされたものが元に復活することは少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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