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シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
染色体構造蛋白の免疫染色法
著者: 金田眞理1 金田安史2
所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科 2大阪大学細胞生体工学センター
ページ範囲:P.1173 - P.1178
文献購入ページに移動染色体の研究は顕微鏡や標本作製法,染色法などの改良とともに進展してきた.特に,1956年TjioとLevanらが培養細胞を用いてヒト染色体が2n=46であることを報告して以来,ほ乳類の染色体研究が著しく進んだ.さらに,1970年以降gene mappingの技術が開発され,最近では精度の高い遺伝子地図も作られている.しかしながら,染色体そのものの構造などに関してはいまだに不明の点が多々残されている.本来,染色体とは,細胞分裂の一時期にみられる塩基性色素に強く染まる特殊な構造物に対して与えられた名称であり,顕微鏡下では単純な染色物体として観察されるが,その内容はDNAと多数の蛋白質からなる高次構造をした複合体である.これらの染色体は細胞分裂における核膜の消失に伴って染色糸から形成され,同時に特徴的な構造やバンドも形成される.これら染色体バンドの分染法を用いて,染色体の同定や染色体の一部の識別がなされてきた.また,最近はこれら種々の分染バンドの構造や機能もかなりわかってきている.しかしながら,染色体の生成機構などに関してはまだまだ不明の点が多い.したがって,さらに詳細な染色体の構造蛋白などの解析のためには,本章で述べる免疫染色法が有力な方法となる.
ここでは,リンパ球および培養細胞からの染色体標本の作製とそれを用いた免疫組織化学的染色法について述べる.
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