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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻12号

1997年11月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

赤血球酵素異常症

著者: 藤井寿一1 三輪史朗2

所属機関: 1東京女子医科大学中央検査部輸血科 2(財)冲中記念成人病研究所

ページ範囲:P.1666 - P.1673

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はじめに
 赤血球酵素異常による遺伝性溶血性貧血は,赤血球機能を保つうえで重要な酵素の質的ないし量的な異常により起こる疾患である.解糖系,五炭糖リン酸回路,グルタチオン代謝・合成系,ヌクレオチド代謝に関連した約16種の酵素の異常により遺伝性非球状性溶血性貧血をきたすことが明らかになっている1,2)
 現在までに筆者らは,14種246家系285例の赤血球酵素異常症を発見している(表1).溶血性貧血を伴う例に限ると,最も症例数が多いのはピルビン酸キナーゼ(PK)異常症で,次いでグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)異常症,ピリミジン5'-ヌクレオチダーゼ(P5N)異常症となるが,その他の酵素異常症は10家系以下とまれである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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