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シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編
赤血球酵素異常症
著者: 藤井寿一1 三輪史朗2
所属機関: 1東京女子医科大学中央検査部輸血科 2(財)冲中記念成人病研究所
ページ範囲:P.1666 - P.1673
文献購入ページに移動赤血球酵素異常★による遺伝性溶血性貧血★は,赤血球機能を保つうえで重要な酵素の質的ないし量的な異常により起こる疾患である.解糖系,五炭糖リン酸回路,グルタチオン代謝・合成系,ヌクレオチド代謝に関連した約16種の酵素の異常により遺伝性非球状性溶血性貧血をきたすことが明らかになっている1,2).
現在までに筆者らは,14種246家系285例の赤血球酵素異常症を発見している(表1).溶血性貧血を伴う例に限ると,最も症例数が多いのはピルビン酸キナーゼ(PK)異常症で,次いでグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)異常症,ピリミジン5'-ヌクレオチダーゼ(P5N)異常症となるが,その他の酵素異常症は10家系以下とまれである.
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