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今月の主題 Helicobacter pylori 技術解説
Helicobacter pyloriの病理組織学的検索法
著者: 斉藤澄1
所属機関: 1国立国際医療センター臨床検査部・病理
ページ範囲:P.162 - P.166
文献購入ページに移動 胃粘膜内のH. pyloriの特殊染色,免疫組織化学染色,およびDNA in situ hybridizaionの特徴と方法を概略した.Warthin-Starry染色は最も鮮明な像が得られるが,繁雑であり全行程では長時間が必要である.ギムザ染色は鮮明度は劣るが,染色法が簡単であり,多数の検体の処理に優れている.抗H. pylori抗体を用いた免疫染色は,Warthin-Starryやギムザ染色で認められた菌が本当にH. pyloriか否かを確定するのに有用である.近年開発されたH. pyloriのDNAプローブを用いたin situ hybridization法は現在のところまだ特異性の点で問題が残されている.いずれの方法を用いるかは,検体の数や検索の目的によって選択すべきである.
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