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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻2号

1997年02月発行

文献概要

研究

穿刺吸引細胞診における針内洗浄液の検討

著者: 鐵原拓雄1 有光佳苗1 矢田部敏成2 広川満良3

所属機関: 1川崎医科大学附属病院病院病理部 2川崎医療短期大学臨床検査科 3川崎医科大学病理学教室

ページ範囲:P.219 - P.223

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 穿刺吸引細胞診において採取した細胞をより効率的に塗抹する方法として,針内を生理食塩水で洗浄する方法があるが,この方法で作製した標本では細胞変性が加わりやすく,診断に十分役立つとは言いがたい.そこで,今回われわれは生食水,培養液,リン酸緩衝液,YM液,ビメックス液などを用いて細胞変性を起こしにくい針内洗浄液を発掘することにした.結果的には生食水,培養液,リン酸緩衝液などでは核の膨化や淡染,核線がみられやすく,YM液とビメックス液が良好であった.小型リンパ球の核面積の計測においてもYM液やビメックス液が穿刺吸引後に直接塗抹したコントロール標本に最も近値を示し,上記の結果を裏づけた.また,洗浄後の塗抹標本では,全体的には大きな細胞集塊はほつれる現象がみられ,小さな細胞集塊は立体化する傾向がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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