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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻4号

1997年04月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

定量的RT-PCR法

著者: 戸田年総1

所属機関: 1東京都老人総合研究所分子生物学部門

ページ範囲:P.443 - P.448

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はじめに
 1985年に発表されたPCR法1)(遺伝子増幅法)は,特定の塩基配列に挟まれたDNA領域を,試験管内で増幅する大変ユニークな方法であり,特に1988年に耐熱性のTaq DNAポリメラーゼ2)が導入されてからは,遺伝子研究に欠かせない技術となっている.このPCR法の改良法の1つであるRT-PCR法3)は,特定の塩基配列を有するRNAをcDNA断片の形で増幅する方法である.両者は,技術的には非常によく似ているけれども,目的の点で決定的に異なる.PCR法は,遺伝病の原因遺伝子の検出や同定などを目的としてゲノムDNAの塩基配列を解析する際に利用されることが多い.これに対しRT-PCR法は,細胞の分化(differentiation)や不死化(immortalization)の分析を目的として,発現遺伝子のmRNAの種類や量を検出する際に利用されることが多い.したがって,PCR法ではあまり重視されなかった定量性がRT-PCR法には求められることになる(PCR法の原理については,「遺伝子操作技術マニュアル」[日本臨床化学会関東支部監修,医学書院]などを参照されたい).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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