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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻4号

1997年04月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

遺伝性ムコ多糖症

著者: 折居忠夫1 戸松俊治2 福田誠司2 祐川和子2

所属機関: 1中部女子短期大学 2岐阜大学医学部小児科

ページ範囲:P.449 - P.454

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はじめに
 ムコ多糖症(mucopolysaccharidosis;MPS)はムコ多糖代謝異常症,ムコ多糖蓄積症とも言い,酸性ムコ多糖(ムコ多糖)を水解するリソソーム由来の4つのグリコシダーゼと5つのスルファターゼ,それと水解酵素でない1つのトランスフェラーゼ活性の低下症である.全身組織の細胞内リソソームに不完全に分解されたデルマタン硫酸(DS),ヘパラン硫酸(HS),ケラタン硫酸(KS),コンドロイチン硫酸(CS)が蓄積する.蓄積するムコ多糖の種類,程度,部位によってさまざまの徴候を呈する.臨床的には特異な顔貌,ごつい体つき,多毛症,軟骨内骨化障害,関節の運動制限,肝脾腫,心障害,角膜混濁,精神運動発達遅滞などの症候を有し,ムコ多糖尿を伴うことを特徴とする.現在,表1のように分類されている.
 本稿では遺伝子レベルでの病因が解明されているⅠ,Ⅱ,Ⅲ A,B,D,Ⅳ,ⅥおよびⅦ型のうち,Ⅰ,Ⅱ,ⅣおよびⅧ型を中心に概説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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