文献詳細
文献概要
シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
キャピラリー電気泳動法
著者: 馬場嘉信1
所属機関: 1徳島大学薬学部薬品物理化学教室
ページ範囲:P.569 - P.577
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キャピラリー電気泳動は,従来のゲル電気泳動に比べて10倍以上の高速化と高精度化を実現できる新しい遺伝子解析法である1-3).キャピラリー電気泳動は,1本鎖DNAであれば,1,000塩基までのフラグメントを1塩基のみの違いで80分以内に分離することができるほどの性能を有している4).また,2本鎖DNA解析では,70から12,000塩基対のDNA断片を10塩基対程度の違いで15分以内に分離可能である5,6).当初,キャピラリーにゲルを充填したゲル充填キャピラリーが用いられていたが,最近,分子ふるい効果を有するポリマー溶液を利用したキャピラリー電気泳動が,DNA断片の高速分離に有効であることが明らかとなってきた1-3).これらの方法は,DNAの高速シークエンシング4),遺伝子のPCR解析1,5,6),疾患の遺伝子診断1),PCR-RFLP (restriction frag-ment length polymorphism)解析6),VNTR (variable number of tandem repeat)解析7),マイクロサテライト解析8,9),SSCP (single strand conformation polymorphism)解析10)への応用が進んできている.本稿では,キャピラリー電気泳動による遺伝子解析の基礎と応用について解説したい.
キャピラリー電気泳動は,従来のゲル電気泳動に比べて10倍以上の高速化と高精度化を実現できる新しい遺伝子解析法である1-3).キャピラリー電気泳動は,1本鎖DNAであれば,1,000塩基までのフラグメントを1塩基のみの違いで80分以内に分離することができるほどの性能を有している4).また,2本鎖DNA解析では,70から12,000塩基対のDNA断片を10塩基対程度の違いで15分以内に分離可能である5,6).当初,キャピラリーにゲルを充填したゲル充填キャピラリーが用いられていたが,最近,分子ふるい効果を有するポリマー溶液を利用したキャピラリー電気泳動が,DNA断片の高速分離に有効であることが明らかとなってきた1-3).これらの方法は,DNAの高速シークエンシング4),遺伝子のPCR解析1,5,6),疾患の遺伝子診断1),PCR-RFLP (restriction frag-ment length polymorphism)解析6),VNTR (variable number of tandem repeat)解析7),マイクロサテライト解析8,9),SSCP (single strand conformation polymorphism)解析10)への応用が進んできている.本稿では,キャピラリー電気泳動による遺伝子解析の基礎と応用について解説したい.
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