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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻5号

1997年05月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

ポリフィリン症

著者: 大門真1

所属機関: 1山形大学医学部第3内科

ページ範囲:P.578 - P.583

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はじめに
 ヘムは生体内においては主に骨髄と肝臓で合成されている.約70~80%のヘムは骨髄の赤血球系細胞で合成され,グロビンに供給されヘモグロビンを形成する.残りのヘムは主に肝臓で合成され,チトクロームP-450などのヘム蛋白の配合族として利用されている.ヘム合成経路は図1に示したように,グリシンとサクシニルCoAから始まり最終的にヘムを合成する経路であり,8種類の酵素が関与している.この経路の酵素それぞれについて先天性欠損症が知られており(図1),ALAS-2遺伝子の異常から起こるX染色体性鉄芽球性貧血(XLSA)を除く他の7種類の遺伝子異常により起こる疾患をポルフィリン症と総称する.
 ヘム合成経路の律速酵素は第1番目の酵素であるALAS〔ALA (デルタアミノレブリン酸)合成酵素〕であり,最終産物であるヘムにより肝臓においてはネガティブフィードバックを,骨髄においてはポジティブフィードバックを受けている.このフィードバック機構により肝臓においては,ヘムの量を一定に保つことができ,また,骨髄においては造血反応に伴う多量のヘムの需要に対応することができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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