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抗カルパスタチン抗体
著者: 三森経世1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科
ページ範囲:P.584 - P.585
文献購入ページに移動1.カルパインとカルパスタチン
カルパスタチン(calpastatin)とは,カルシウム依存性システインプロテアーゼの一種であるカルパイン(calpain)の特異的内在性阻害因子である.カルパインはカルパスタチンとともに哺乳動物細胞の細胞質内に普遍的に存在し,細胞内酵素(プロテインキナーゼCなど),細胞内細線維(ニューロフィラメント,ビメンチンなど),受容体蛋白(ステロイド受容体など)を基質として分解し,細胞の情報伝達や分化,増殖などに関与するものと考えられている.しかし,カルパイン/カルパスタチン系の生理的意義についてはなお不明な点が多い.近年,カルパインが筋ジストロフィーやアルツハイマー病の発症に関与する可能性が報告され注目を集めている.
筆者らは慢性関節リウマチ(RA)を中心とするリウマチ疾患に,カルパスタチンを認識する自己抗体が高頻度に検出されることを見いだした.カルパイン活性がリウマチ疾患の関節破壊や炎症の持続に関与する可能性が以前から指摘されており,抗カルパスタチン抗体の産生はかかるリウマチ疾患の病因・病態に関連する可能性が示唆される.
カルパスタチン(calpastatin)とは,カルシウム依存性システインプロテアーゼの一種であるカルパイン(calpain)の特異的内在性阻害因子である.カルパインはカルパスタチンとともに哺乳動物細胞の細胞質内に普遍的に存在し,細胞内酵素(プロテインキナーゼCなど),細胞内細線維(ニューロフィラメント,ビメンチンなど),受容体蛋白(ステロイド受容体など)を基質として分解し,細胞の情報伝達や分化,増殖などに関与するものと考えられている.しかし,カルパイン/カルパスタチン系の生理的意義についてはなお不明な点が多い.近年,カルパインが筋ジストロフィーやアルツハイマー病の発症に関与する可能性が報告され注目を集めている.
筆者らは慢性関節リウマチ(RA)を中心とするリウマチ疾患に,カルパスタチンを認識する自己抗体が高頻度に検出されることを見いだした.カルパイン活性がリウマチ疾患の関節破壊や炎症の持続に関与する可能性が以前から指摘されており,抗カルパスタチン抗体の産生はかかるリウマチ疾患の病因・病態に関連する可能性が示唆される.
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