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今月の表紙 深在性真菌症の臨床検査シリーズ・3
酵母様真菌による感染症(1)―鑑別分離培地を利用する検査法
著者: 山口英世1 内田勝久1
所属機関: 1帝京大学医真菌研究センター
ページ範囲:P.726 - P.727
文献購入ページに移動酵母は,菌糸状真菌(糸状菌)に比べて発育形態が比較的単純で特徴に乏しいところから,莢膜を持つCr.neoformansを除ければ,蛍光抗体法や酵素抗体法でも用いない限り,直接鏡検や病理組織学的検査から原因菌の菌種を推定することは困難な場合が多い.しかしその一方で,酵母は取り扱いが容易で,細菌と同様に比較的短い培養で単一コロニーをつくり,しかも菌種特異的な生理学的特徴(代謝活性)を持つ.この特徴を利用して,酵母の分離と鑑別という2つの機能を備えた寒天培地がいくつか考案されている.前者の目的には培地中にクロラムフェニコールなどの抗菌薬を添加して細菌発育を抑制する.また後者については,各種基質に対する真菌の酸化還元能の違いを利用し,培地中に含有された色素の発色色調の違いなどから菌種を識別することを原理としている.以下に現在国内で市販されているいくつかの鑑別分離培地を紹介する.
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