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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻7号

1997年07月発行

文献概要

今月の主題 母子医療と臨床検査 総説

妊婦の生理的変化

著者: 寺尾俊彦1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科

ページ範囲:P.741 - P.748

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 妊婦には妊娠に適応した生理的変化がみられる.妊娠時の血液の変化は以下のとおりである.(1)造血機能の亢進により赤血球,白血球,血小板の絶対量は増加している.(2)しかし,血漿量がそれを上回るほどに増加するため血中濃度としては白血球以外は低下(赤血球),不変(血小板数)という水血症状態にある.(3)凝固・線溶因子に関しては,その産生量の増加のため血中濃度は上昇し何らかのtriggerがあれば即凝固,即線溶の態勢がとられている.
 しかし,この生理的変化が失調し,ホメオスタシスが乱れた病態が存在し,その代表的疾患として妊娠中に発生する血栓症や妊娠中毒症があり,またDICが発生しやすいと言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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