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文献概要
コーヒーブレイク
山河在り
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.748 - P.748
文献購入ページに移動 故郷福島から第2の故郷新潟に移り住んで半世紀以上になるが,離れた2つの場所が,時々さまざまな形でつながることがある.
戦後もかなりたった昭和28年ごろ,越後小出から羊腸とした枝折峠をジープに揺られて越え,医者1人の日赤巡回診療に参加したことがある.行きつく所はそのうち電源開発で湖底に沈む地帯で,銀山平から山奥は車も捨てて,強力に荷物をかつがせ平家落人部落のある福島県檜枝岐村に向かった.只見川上で対岸の福島県までは1本の太いロープで結ばれ,籠渡しと称して籠に乗って手で操りながら激流を渡ったが,万事開けてしまった昨今,やたらに懐しく思い出される.
戦後もかなりたった昭和28年ごろ,越後小出から羊腸とした枝折峠をジープに揺られて越え,医者1人の日赤巡回診療に参加したことがある.行きつく所はそのうち電源開発で湖底に沈む地帯で,銀山平から山奥は車も捨てて,強力に荷物をかつがせ平家落人部落のある福島県檜枝岐村に向かった.只見川上で対岸の福島県までは1本の太いロープで結ばれ,籠渡しと称して籠に乗って手で操りながら激流を渡ったが,万事開けてしまった昨今,やたらに懐しく思い出される.
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