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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻8号

1997年08月発行

今月の表紙 深在性真菌症の臨床検査シリーズ・4

酵母様真菌による感染症(2)―生化学的性状検査

著者: 山口英世1 内田勝久1

所属機関: 1帝京大学医真菌研究センター

ページ範囲:P.848 - P.849

文献概要

 真菌症患者から分離される真菌が,少なくとも酵母であるか否かは,直接鏡検での形態学的特徴や,分離培地上の発育コロニーの性状から判明する.また前号で述べた鑑別培地を使用すれば,コロニーの色調などからある程度菌種を推定することができる.しかし酵母菌種を確実に同定するためには,分離菌の純培養を用いて培養検査を行わなければならない.
 一般に,真菌における菌種同定の主な指標となるのは,形態学的性状と生理学的(生化学的)性状である.酵母は,糸状菌とは対照的に形態学的特徴に乏しいところから,Candida albicansにみられる厚膜分生子形成能や発芽管形成能を除けば,菌種同定に役だつほどの形態学的特徴はどの菌種にも見当たらない.また血清学的特異性(抗原特異性)も菌種同定に利用されるが,その適用範囲は一部の菌種に限られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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