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文献概要
今月の主題 臓器移植と臨床検査 総説
脳死と臨床検査
著者: 竹内一夫1
所属機関: 1杏林大学脳神経外科
ページ範囲:P.861 - P.865
文献購入ページに移動 新しい死の概念として脳死が導入されて以来,医学界でも一般社会でも,この"見えない死"に注目するようになった.従来からのいわゆる3徴候(心拍停止,呼吸停止,瞳孔散大・対光反射消失)による死(心臓死)と異なり,客観性に乏しい脳死では,すでに臨床の現場に普及していた脳波の平坦化が,判定上の重要な所見と考えられた.確かに脳波検査には種々の利点があり,判定基準の必須項目にも取り入れられている.しかしその後,主として英国から"脳幹死"の概念が提唱され,脳波活動の消失が必ずしも脳死判定の必須条件とはならない場合も起こってきた.
脳波以外にも客観性のある所見を求めて,今日まで多くの検査法が脳死判定に試みられきたが,これらのほとんどがこの目的に対しては,残念ながら参考になる程度である.脳死判定の主役は依然として生命徴候と神経所見である.
脳波以外にも客観性のある所見を求めて,今日まで多くの検査法が脳死判定に試みられきたが,これらのほとんどがこの目的に対しては,残念ながら参考になる程度である.脳死判定の主役は依然として生命徴候と神経所見である.
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